[前書き:なぜ憲法なのか?]  私たち労働者が生きていくのには、自分の力で働くことが必要です。そして人間らしい生活をするには、人間らしい労働条件で仕事を与えられなければならないのですが、現実はそう容易ではありません。実社会において人間らしい労働条件を労働者個人の力でつかもうとしても、経済や産業構造の変化の下で国際競争や企業間競争を盾に、企業においては許されないのが現実です。
 しかしながら、日本の憲法は、私たち労働者が生きていくための基本的な権利として、生存権(第25条)と労働権(第27条)を定め、その実現に必要な権利として労働権(第27条)と団結権・団体交渉権・団体行動権(第28条)を定めています。そして、その権利は労働基準法や労働組合法はじめ80もの労働関係法規をもってさらに具体化されています。先般、労働契約法が新たに加わり労働関係法規は81となりました。
 日本の憲法第97条は「基本的人権は侵すことのできない永久の権利」としてその歴史的経緯とともに成文化され、第98条では「憲法は、国の最高法規である」と規定しています。憲法のトップへ

日本国憲法 1946年11月3日公布、1947年5月3日施行

日本国憲法(前文)

 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

第3章 国民の権利及び義務  憲法のトップへ戻る

第11条(基本的人権の享有)
 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

第12条(自由・権利の保持の責任とその濫用の禁止)
 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

第13条(個人の尊重と公共の福祉)
 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

第14条(法の下の平等、貴族の禁止、栄典)  憲法のトップへ戻る
 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
A 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
B 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。


第15条(公務員の選定及び罷免の権利、公務員の本質、普通選挙の保障、秘密投票の保障)
 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
A すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
B 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
C すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。


第18条(奴隷的拘束及び苦役からの自由)
 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。

第19条(思想及び良心の自由)
 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。

第20条(信教の自由)
 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
A 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
B 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。


第21条(集会・結社・表現の自由・通信の秘密)  憲法のトップへ戻る
 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
A 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。


第22条(居住・移転及び職業選択の自由、外国移住及び国籍離脱の自由)
 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
A 何人も外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。


第25条(生存権、国の社会的使命)  憲法のトップへ戻る
 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
A 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

第27条(勤労の権利及び義務、勤労条件の基準、児童酷使の禁止)
 すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
A 賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。
B 児童は、これを酷使してはならない。


第28条(勤労者の団結権)  憲法のトップへ戻る
 勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。

第29条(財産権)
 財産権は、これを侵してはならない。
A 財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。
B 私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。


第10章 最高法規  憲法のトップへ戻る

第97条(基本的人権の本質)
 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。

第98条(最高法規、条約及び国際法規の遵守)
@ この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
A 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。


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